鳥さんの動きが活発になるのは、朝と夕方です。
とある夏の夕方、電柱の上で縦にスッと背筋を伸ばした野鳥を見かけました。
ハトやカラスのように横長のシルエットとは明らかに異なり、とてもスマートな印象でした。
暫く眺めていても、動く気配がなく、少し近づいて写真に撮影してみるとこんな感じでした。
↓じゃん♪
鋭いクチバシ、茶色と白のまだら模様の羽、
クリクリとした瞳、といった特徴があることに気付きました。
正体は…サシバ
図鑑で調べると、サシバの幼鳥であることがわかりました。
卵からかえって、60日程度でこのような特徴を持つということなので、今年生まれた固体でした。
1年たつと瞳が黄色くなり成鳥の仲間入りとなります。
サシバはワシやタカの仲間で、猛禽類と呼ばれる肉食の鳥です。
トカゲやヘビ、カエル、ネズミやモグラ、ザリガニなどを捕食します。
サシバの生活環境
サシバが捕食生き物は、全て豊かな自然環境で多くみられます。
また、これらの生き物は草丈が10cm伸びるだけで、捕獲する確率が下がると言われています。
田んぼや畑、小川や用水路といった定期的に人の手が入る里山環境が必要です。
こういった点からサシバは、里山の指標生物と言われています。
繫殖期になると、親鳥は1日に5kg程度のエサをヒナに与えるので、
種類が豊富なだけでなく、量も多くないと生活できない野鳥です。
しかも、なわばりは、1km圏内という猛禽類としては狭い範囲の中でこの条件を満たさなくてはなりません。
この条件を満たす環境が少なくなってきているせいか、
サシバは年々数が少なくなって、環境省のレッドデータでは、絶滅危惧種に指定されています。
サシバがいる季節
サシバは夏鳥で、4~9月にかけて、日本で見られます。
ピックイ~というよく響く声で鳴いています。
秋になると徐々に渡りを開始する個体もいるので、観察できる季節は限られます。
豊かな里山環境に行く機会がありましたら、ぜひ、木のてっぺんや電柱を探してみてください。
獲物を狙うサシバの姿をぜひ見つけてみてください。
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